仮想通貨投資を行う際に考慮すべき点


日付: 2021-01-06 閲覧数: 88



当たり前だが、どのような投資をしてもリスクが付随する。リスクは必ずしも悪いことではないが、投資を行う際にどのようなリスクを背負うか、というのを理解した上で、資金を投じるのが賢明なやり方だと思う。仮想通貨投資の場合はボラティリティによるリスクだけではなく、技術自体に潜んでいるリスクも考慮して欲しい。ビットコインとイーサリアムの相場が急上昇中だが、行き先はまだ全然見られないのも事実だ。猛スパートで上昇する価格は大丈夫なんだろうか?専門知識に乏しい仮想通貨専門家だと、今こそ仮想通貨に投資するべきだとアドバイスしてくれる。量的緩和政策を初めたアメリカの政府が無限に紙幣を印刷しつつ、法定通貨への信頼が低下するなか、資金を仮想通貨に投資するという計画が理にかなう。ところが、仮想通貨投資を促進する下心を持っている専門家を果たして信用しても良いのか?イーサリアムやビットコインに巨額な資金を投じても良いのか?この2つの質問に答えを探りたいと思う。


周りにいる人たちに、「今こそ仮想通貨投資で絶対に儲かる」と言われると、いつもびっくりする。Zcash, LiteCoin, SmartCash, Handshake, Pirateなどなど。 毎日新しいコインが誕生する。斬新なアイデアに裏付けられたICO(仮想通貨の新規発行による資金調達方法)もたくさんあるかもしれないが、またたく間に100万米ドル程度の市場占拠率に達することは警鐘を鳴らす。仮想通貨に詳しくない素人たちは、このような動きを見てしまうと血まなこになって資金を投じることもよく起こる。周りの人が皆やっているから、俺もやってみようかと。


1。プロ並みに資産運用するためには?


投資をするときは、投資の対象となる資産とその利益率も理解しなければならないといわれる。正直、LiteCoinの利益率が皆分かっている?ユーチューブで山師たちが配信する動画が山ほどあるが、疑問を抱かずに信じてはダメだ。新しい仮想通貨の相場が上がるか、下がるかどうかは別にしてボラティリティ(相場の標準偏差を表す指標)よりもっと注目すべきことがある。ボラティリティという専門用語じみた言葉を使って、うまく投機すれば投資で絶対に儲かると主張する山師がたくさんある。赤色と緑色の銭のついたグラフを十分長く睨んだら株の動きを予測し、フィボナッチ数列やボリンジャーバンドなど迷路で一朝一夕に億万長者になれるという話しもよく耳にする。一方、金融顧問会社の担当者を信用して巨額な資産を失った顧客は珍しくないことも忘れないで欲しい。株と投資に精通した専門家だと、記事を二本くらい呼んで、ユーチューブで動画を見てかる投資を始めることをしない。何をするかというと、数理モデルを構成してブラック–ショールズ方程式を解くことによってポートフォリオリスクを最小化する。このようなポートフォリオに複雑な先物、株式、現金、国債などがある。リスクと金融商品の動きの相関関係を理解するために数学期にわたる数学コースと数年間の実地経験が必要だ。このような過程で腕を十分に磨いてかた専門家は数百万ドルの利益を出せるようになり、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスでトレーダーとして職を得ることができる。


2。仮想通貨投資に伴うリスク


ビットコインとイーサリアムは熟した資産だと主張する投資家がたくさんいるにも関わらず、仮想通貨投資に伴うリスクを無視してはいけない。この間、興味深いサイトを発見した。このサイトはcrypto51.appという。このサイトで仮想通貨ネットワークへの51% 攻撃のコストを確認できる。まずは51% 攻撃というのは一体なんだろうか?


聞いたことがあるかもしれないが、とりあえず分かりやすく説明しておこう。


まずは、例えば仮想通貨ネットワークを使ってAからBに送金したいと仮定しよう。このトランザクションを承認しなければならないのだ。承認を行う利用者は”マイナー”と呼ばれる。マイナーがトランザクションが出現するとマイニング機器を使って取引データを承認する。お金を振り込みたい時に銀行カードを提供する銀行も似たような作業する。まずは、口座の残高を照会し、十分なお金がはいっているかどうかを確認する。口座開設時に残高は0ゼロ円だが、いつか100万を入金した、そして2万をおろした、そして給料を受け取った、うんぬん。今日の残高を把握するために送金履歴をきちんと保存しなければならないよね。


そうすると、銀行は振り込もうとする金額を持っているかどうか、つまりそのお金を振り込んでもいいかという判断をする。当たり前の話だが、残高が0円を下回る口座からお金を振り込んじゃダメ。でも仮想通貨の世界でこれは二重支払い(英語でDouble Spendという)の問題に繋がる。先ほどの解釈と同様に、仮想通貨を送金する際、ある利用者がすでに使用したコインを再び使用することを許してはいけない。さもなければ、仮想通貨の世界での秩序が乱れてしまう。


均等なマイニング能力を仮定すると、全てのマイナーが一つのブロックを同じ確率で採掘する。ただし、ある仮想通貨インフラのマイニング能力(ハッシュレート)の50パーセント以上の計算能力を手に入れると、誰より速くマイニングできるようになる。つまり、この強力なマイナーによって採掘されたブロックチェーンは誰のブロックチェーンよりも長くなることも起こる。そして、同時に2つのマイナーが採掘に成功すると、採掘されたブロックチェーンの長い方が認識されるというコンセンサスも存在する。


ここで、たくさんの計算能力を持つことで、誰より長いブロックチェーンを採掘できるようになったマイナーが好きなように取引データを改ざんできるという危険性も潜んでいる。既に使用したコインを再び使用できるようになったり、他の利用者の取引をブロックしたりすることも可能となる。データを改ざんした取引データを採掘中のブロックチェーンに書き込んでから、誰よりも長いブロックチェーンをネットワークに返すと、他の利用者に気づかずに承認されるわけだ。


上記のcrypto51.appはこのような攻撃にかかる費用を次のように説明してくれる:


51パーセント攻撃のコスト

Nicehashで、クラウド上の計算機(仮想マシン)を借りることが出来るので、高額なサーバーを買う必要もない。当然、仮想通貨インフラの規模が大きくなるとマイナーの数も増える。それによって、ネットワークの計算能力の50パソコン以上を支配するのが難しくなってくるが、不可能ではない。下に、過去に起きた2つの51パーセント攻撃事件についての画像を埋め込む:


巨額な損失をもたらした51パーセント攻撃事件

巨額な損失をもたらした51パーセント攻撃事件

明らかに、仮想通貨投資をすると、相場の変動だけでなく、51%攻撃によるリスクも考慮しなければならないのだ。したがって、ICOによる生まれたばっかりの仮想通貨(英語でaltcoin)は極めて危ない資産だと思う。仮想通貨インフラの規模が小さいと、51%攻撃を図って、その為に必要な計算能力を少しだけのお金を持っていれば誰でも借りることが出来るからだ。


3。イーサリアムも危険


ビットコインを採掘するときに、ただ単に特定の条件を満たすようにハッシュ関数を計算するので、このような情報処理は超並列計算機にも向いている。つまり、たくさんの専用ハードウェアを用意することだけで大きなハッシュ能力が手に入るわけだ。承認過程においてハッシュ関数の値を計算した後に計算結果をほかしてもよく、マイニング機器のメモリに与える負担が小さいという特徴もあり、ビットコインのマイニングに特化したASICマイナーが数多く生まれた。


イーサリアムの場合は、マイニングを行う際、相当なメモリ容量を使う必要があるので、現在ビデオカードによる採掘が一番現実的な方法だ。イーサリアムをビデオカードで採掘する方法について次に記事も一読ください:GPUでイーサリアムをマイニングしてみた結果報告


誰しも買うことができる汎用的なGPUを使ってマイニング機器を数分で立ち上げてイーサリアムを採掘することから、公平性のあるネットワークが生まれる。


マイニング機器を立ち上げた後に、マイニングプールに接続するのが一般的だ。しかし、マイニングプールを使用することで問題が2つ挙げられる。第一にマイニングプールの手数料だ。これは1%程度になっている。そして、もう一つは、マイニングプールは多数の利用者を集約させることで一つの組織が巨大なハッシュ能力を支配することになり従来の中央集権型金融システムと違って分散型ネットワークになるように設計された仮想通貨インフラの基盤となる概念が覆されるのだ。これは間違いなく難しい問題だ。


マイニングプールを使用せずに、イーサリアムを採掘ことが可能なのか、という質問をすると、答えはYesだ。この場合はフルノード(full node)を立ち上げる必要がある。現在一つのフルノードのインストールに必要なデータのサイズはおよそ614Gbだが、取引量の増加とともにこの数字も増える。クレッジットカードを発行するVISAが取り扱う取引量と同程度の取引をイーサリアムのネットワークで処理しようとするとフルノードのサイズが爆発的に増えてしまうと予測する専門家が沢山いる。その結果、十分にハイスペックなパソコンを持っていなければマイニング出来なくなることも明らかだ。換言すれば、以前にGPUを買ってしまってもブロックチェーンのダウンロードにさえ失敗するから、採掘することは不可能となる。また新しいパソコンを購入する為に、さらに投資しなければならない。フルノードのサイズが爆発的に増えると、巨大な資金を投じない限りマイニング出来ないわけだが、大口投資家がタイミングよく多数のマイニング機器を買い占めて、51%攻撃で一般利用者のウォレットからイーサリアムを盗み取ることができるようなる恐れがないか?



イーサリアムフルノードのサイズの推移(2021年)

イーサリアムとビットコインの相場変動にしか注目していない投資家はこのような技術に潜んでいるリスクを無視しがちだ。仮想通貨の相場が上昇すると、買い気が強くなるので取引量とフルノードのサイズも当然増える。でも、それによって51%攻撃のリスクも増えるのではないか?イーサリアムネットワークの欠点を直す必要があると思う。 仮想通貨も自己責任、他人の言いなりで投資をしてはいけない。


出典:Why is it so risky to invest my money into crypto?


画像:pixabay




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